alert icon

Internet Explorer 8および9は、本ウェブサイトの動作確認環境の対象外となります。 その他のブラウザを使用してください。

メッセージを閉じる hide icon
真空面シール継手が高純度半導体アプリケーションに最適な理由

真空用に開発された面シール継手が高純度の半導体アプリケーションに適している理由

Masroor Malik、半導体市場マネジャー、スウェージロック

半導体業界 では、高性能なデバイスを製造するべく、プロセス・ノードの微細化が常に追求されており、プロセスにおける清浄度の維持はますます困難になってきています。このように変化し続けるニーズに対応するため、ファブでは比類のない精度と清浄度を備えた製造環境を構築する必要があり、装置メーカーにはこうしたニーズを満たす装置を開発することが求められています。

不活性ガスや特殊ガスを取り扱うなど、要求の厳しい超高純度(UHP)流体システム・アプリケーションにおいて、装置メーカーにとっての重要な留意点となるのが、継手の接続部です。超高純度システムでは、溶接することで漏れの可能性を最小限に抑えているケースが少なくありませんが、メンテナンスや交換を行うなど、定期的に再取り付けが必要な接続部も存在します。また、最近のプロセス流体は腐食性があるほか、オペレーション条件によっては、エラストマー製Oリングでシールする従来の継手は、高い信頼性が求められる用途では材質が適さない場合があります。一方で、極めて重要なのがリーク・タイト性です。漏れが生じると危険なばかりか、超高純度環境のコンタミネーションを引き起こすおそれがあります。またメーカーにとっては、収益の喪失やメンテナンス費用の増加などで、大きな損失を被ることにもなりかねません。

半導体産業向けの流体システム・ソリューションを見る

こうしたアプリケーションでは、真空用面シール継手 をご検討ください。従来の継手に比べて、面シール継手は金属同士でシールすることで高い信頼性を実現し、真空から正圧まで漏れのない締め切りを行います。また、真空用面シール継手は、たまり部分を最小限に抑えることで全体的な清浄度を高めているほか、取り付けプロセスがシンプルなため、製造およびメンテナンスを効率的に行うことができます。

比類なきシール性能

真空用面シール継手は、1960年代に超高真空システム用に開発されたもので、原子力産業の画期的な科学研究にとって極めて重要なものでした。今日では、毒性、腐食性、可燃性の高い流体を漏れなくシールできることから、真空用面シール継手は半導体製造における一般的なアプリケーションに適しています。

真空用面シール継手は、おすナットとめすナットを組み合わせる際に、高度に研磨されたビード2つで金属製のガスケットを挟み込むことで、高レベルのパフォーマンスを実現しています。ビードの「面」でのガスケットでシールすることから、面シール継手と呼ばれています。ビードがガスケットに圧入することでシールが形成されるため、ビードよりも柔らかい材質のガスケットを使用する必要があります。ガスケットが変形することで、シール性能に重要なビードを保つことが可能になります。研磨されたビードは、継手を取り外す際は保護しておくことが重要です。ガス使用条件では、パージが容易で、シール部のたまりやデッド・スペースを許さないシステムに適しています。

真空用面シール継手は、漏れなくシールできることから、
半導体製造における一般的なアプリケーションに適しています。

真空用面シール継手は、従来のチューブ継手と比較して、信頼性の高いシールを形成するほか、コンタミネーションの原因となるたまり部分を排除しています。半導体の超高純度工程では、ウェハにガスをさらすプロセス・チャンバーに使用されるため、清浄度および純度を確保することが重要です。真空用面シール継手は、半導体製造環境に欠かせない高い清浄度を実現します。サプライヤーによっては、耐食性を高めるべくニッケルやクロムの含有量を増やしたステンレス鋼を採用する、電解研磨などの表面仕上げ処理を行って不動態化層を残して清浄度を高めるといった、さらなる改良を図っています。

効率的な取り付けおよびメンテナンス

超高純度システムのメンテナンスや維持管理は迅速に行い、設備のオペレーション中断を最小限に抑える必要があります。半導体製造の世界では、まさに「時は金なり」なのです。

真空用面シール継手は、取り外しや再取り付けを容易に行うことができるため、こうした作業が欠かせない超高純度アプリケーションにおいて効率性およびメンテナンス上の利点が得られます。取り付けは簡単で、一般的な工具で行うことができます。まずナットを指締めします。次におすナットを固定し、レンチでめすナットを指締め位置から1/8回転(45°)、または銅製ガスケットの場合は1/4回転(90°)まわします。再取り付けが必要な場合は、使用済みのガスケットを取り外して新しいガスケットに交換してから、通常の取り付け方法に従って取り付けてください。このようなシンプルな工程で、初回のシステムの組み立てを効率的に行うことができます。また、またメンテナンスが必要になった際も、迅速に製造を再開することが可能です。

 

真空用面シール継手の取り付け方法については、動画でご覧ください。

真空用面シール継手は、高い信頼性と容易なメンテナンスが求められる超高純度システムに適しています。真空用面シール継手をシステムで使用する場合は、適切なサプライヤーを選定することも重要です。

スウェージロックは、半導体アプリケーション・プロセス用流体システムにおいて、シリコン・バレーの黎明期に革新的な技術を生み出した経験や実績を有しています。Swagelok® VCR® メタル・ガスケット式面シール継手 は、ファブ施設から装置メーカーのデバイス製造装置に流れる超高純度ガスの取り扱いや供給における特有の課題を解決するべく設計されました。

スウェージロックは、半導体製造環境で直面する課題を理解しており、その知識をお客さまと共有いたします。VCR面シール継手とその設計上の特徴や、効果的な使用個所などに関する総合的なトレーニングを提供しています。このトレーニングでは、各タイプの継手の適切な取り付け方法や、潜在的な問題のトラブルシューティング方法についても学ぶことができます。

VCR面シール継手を使用したソリューションや、トレーニングの詳細につきましては、スウェージロックの専門スタッフまでお問い合わせください。

超高純度用製品やトレーニングについて問い合わせる

関連コラム

ALD半導体加工処理

ALD/ALE半導体加工処理における課題を解決するには

ALDおよびALEの半導体製造プロセスには、固有の課題や複雑さがあります。適切なプロセス・バルブを選定することで、この課題を克服する方法を紹介します。

スウェージロックの流体システム部品には、半導体製造環境での耐久性を考慮した材料を使用しているものもあります。

最適な合金で半導体製造の歩留まりを高める

今回は、重要な流体システム部品に適した金属材料を選定することで、エンドからエンドまでの製造の歩留まりを高め、長期的な収益性の向上を図る方法を紹介します。

スウェージロックのクリーンルームで波動対と構成部品を製造する組立作業員

次世代半導体製造に向けたイノベーション

次世代の先端半導体製造には、特有の留意点が数多く存在します。今回は、設備の最適化、ならびにコンポーネントの信頼性やプロセス制御の向上を通じて、製造のイノベーションを実現する方法を紹介します。