水素燃料での長距離走行は可能でしょうか?
水素自動車の航続距離に懸念がありますか?心配は無用です。
Chuck Hayes、グローバル技術主幹、スウェージロック
代替燃料や輸送技術が普及し、有用性が高まっている昨今、水素自動車の航続距離は従来のディーゼル車やガソリン車に匹敵するのかという疑問を持つのは当然です。
水素は、これまで化石燃料に依存していたアプリケーションでの利用に大きな可能性を秘めています。脱炭素化への動きが加速する世界において、水素は理想的かつ 有望な代替燃料 であるといえます。
しかし、水素にまつわる誤解によって、水素自動車の普及が進んでいない可能性があります。例えば、水素は長距離走行に対応できない燃料源であるという考えは、誤りであると言わざるを得ません。水素にまつわる誤解を解くシリーズの2回目となる本コラム記事では、水素燃料電池自動車で快適に走行可能な距離について懸念を抱く必要はない理由を検証します。
長距離を走破する
ガソリン内燃エンジンは、長年にわたってドライバーの信頼を得てきました。大半のガソリン自動車は、満タンにすると約480~640キロの連続走行が可能です。自動車にはこれだけの航続距離が求められていることから、代替燃料自動車の普及が進まない理由として専門家がよく挙げるのが「航続距離に関する懸念」です。
実際には、水素は高エネルギー密度燃料であり、自動車において現在利用可能な他の代替燃料源よりも効率的に利用することができます。水素は分子サイズが小さく、高圧タンク内での圧縮貯蔵が可能であることから、他の燃料源よりも効率的に輸送・利用することができるのです。
これはつまり、水素燃料電池自動車には、大型車輸送手段としての可能性が大いに秘められているということです。現時点ではバッテリー技術が大型車輸送に対応できるほど進歩していないのに対し、水素は当面の間ディーゼルに代わる燃料として申し分ありません。
理想的な充填体験
どのような技術であっても、採用するにあたって重要となるのはエンド・ユーザー・エクスペリエンスですが、水素はそのニーズも満たすことができます。
水素自動車の充填に要する時間はほんの数分です。従来のようにポンプでガソリン車やディーゼル車に給油するのと変わりません。電気自動車の場合は、充電に数時間を要することも珍しくなく、その間ドライバーが足止めされ、不便を強いられることになるのとは対照的です。上の比較図をご覧ください。その上、水素充填インフラは、最適かつ強力な電気自動車充電インフラよりも容易に、既存の燃料補給ステーション(すなわち、ガソリン・スタンド)に組み込むことができます。
シームレスなエンド・ユーザー・エクスペリエンスを提供するべく、
水素充填インフラを構築する際は、高品質の材料が欠かせません。
シームレスなエンド・ユーザー・エクスペリエンスを提供するべく、水素充填インフラを構築する際は、特定の性質を備えた高品質の材料が欠かせません。バルブ や チューブ継手 などの重要な流体システム部品の設計および材料組成を十分に検討した上で慎重に選定することで、水素ステーションの信頼性を最大限に高めることができます。水素ステーションの新設または改修において、コストがかさむ危険な漏れを防止してパフォーマンスを維持することは、水素燃料の輸送アプリケーションへの長期的な実現可能性を追求する上で極めて重要です。
結論
水素自動車は、従来の燃料に匹敵する航続距離を実現できることに加え、充填方法もガソリン給油の場合とさほど変わらないことから、充電に時間がかかる電気自動車よりも好ましいと言えます。
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